読後感: ハング 誉田 哲也

宝飾店「ジュエリー・モリモト」経営者森本隆治が殺害された事件で新たな手掛かりが出てきて警視庁刑事部捜査第一課第五強行班捜査特別捜査第一係「堀田班」は事件の再捜査に駈り出され,ビルの警備会社南関警備保障の元従業員曽根明弘を逮捕する。
しかし、曽根は窃盗未遂は認めたものの、森本殺害については否認する。しかし、南関警備保障の雇った弁護士の面会を受けた後、なぜか曽根は森本殺害を認める。その供述に基づき、凶器も発見された。しかし突然、堀田班の面々に異動の辞令が出る。津原英太巡査部長(33)は杉並署刑事組織犯罪対策課、班長堀田次郎警部補(56)は高島平署組織犯罪対策課、植草利巳巡査部長(36)は練馬署地域課、小沢駿介巡査部長(33)は府中署地域課、大河内守巡査部長(31)は北沢署地域課、なにがおきたのか?
半年後。曽根の初公判が行われるが、そこで曽根は全面否定、自白の供述内容を指示したのが植草であると告発したのだ。
唖然とする津原のもとに植草が首を吊って死んだという知らせが入る。信じられない津原は、異動後、警察を辞めた小沢とともに事件の真相を探る。
津原らは馳卓という顔中ケロイド状の異相の男に辿り着く。馳は森本殺害事件の重要参考人とされながらもアリバイがあったことで、容疑から外れていたのだが、実はそのアリバイは捜査一課の警部補奥山によって作られたものだった。
奥山を捕まえた二人に、奥山は指示した者の名を告げた。
岩城繁男警視監、関東管区警察局長(元警視庁刑事部長)。
岩城と馳との関係を調べた二人は、その裏に岩城の舅、名越和馬(元警察庁長官)、右翼の大ボス堂島慎一郎が関与していることがわかる
そんなとき、大河内守と、津原に思いを寄せる植草の妹遥(26)が殺される。現場で馳を見かけ、復讐に燃える津原に、奥山が連絡をとってくる。
奥山から馳の潜伏場所を聞いた津原は小沢とともに出向いたが、潜伏場所のプレハブ小屋が爆発し。小沢は即死。助かった津原は、馳と立ち会うが、逆に絞め落とされてしまう。
しかし、馳は津原を殺さなかった。馳もねらわれた爆発の中で、その犯人が津原ではないことに気づいたのだ。真相を知るべく堂島のもとへ向い馳と津原は堂島邸に侵入し、二人は堂島に詰め寄り、真相を問い詰める。

主要登場人物が次々と死んでいく暗くやりきれないお話ですが、この作者は2007年から2008年にかけた書かれたこの本で今現在、問題になっている消費税についてすごいことを、最後に首謀者、右翼の大ボス堂島慎一郎が消費税を上げるために国民の関心を消費税からそらす為にこのような事件を企てたかについて告白させ次のような事を言わせている。
「消費税とは、仕入れに課税された分を、売り上げに課税された額から差し引いておさめるものだ。しかし・・・・輸出商品への消費税は非課税は。つまり、0パーセント。そこから仕入れ分を差し引いたらどうなる。マイナスになるだろう。そのマイナスがどう処理されるかというと、税務署からの還付という形で、帳尻が合せられる。
消費税とはそもそも、国民から無条件で金を搾り取れる、いわば手品のような税法だが、輸出大企業にとってはそれが、さらに魔法のような収入源になり得る。仮に消費税率が5パーセント引き上げられたら、その分が国から、丸々企業側に、還付金として再配分されることになる。現にこの方法によって某自動車メーカーは、年間二千億円にものぼる還付を受けている。」久しぶりに読後感を書く気になりました、恐ろしいくらい今にぴったりです!


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 誉田哲也の警察モノを

    Excerpt: 小説「ハング」を読みました。 著者 誉田 哲也 誉田さんの作品は今までも読んでましたが 青春モノが多く、警察モノ ミステリは初めて! ジャンルは違えど 著者の作品は読んでいたこともあり 本作も読.. Weblog: 笑う社会人の生活 racked: 2013-01-16 22:31