読後感: 追悼者(Requiem) 折原 一

9月のある朝、浅草の古びたアパートで女の絞殺死体が見つかった。被害者は丸の内OL。調べが進むうちに、被害者には2つの顔があったことがわかってくる。昼はOL、夜は娼婦。この事件に興味を持ったノンフィクション・ライターの笹尾時彦が取材をしていくと、彼女の周りでは学生時代より、事故か事件かわからない奇妙な事件が頻発していた、奈美を殺したのは誰なのか?そして、其の理由は何なのか?
読み始めれば、すぐに97年の「東京電力OL殺人事件」をモデルにした物語だと思う。
しかし、現実の事件は、今も再審請求等ではっきりしていないけれど、この本では被害者女性が子供のころから、かわいくて頭がよくて人を惹きつける「オーラ」のようなものを持っている少女で、彼女にあこがれて仲良くなりたかった友達が入念に仕掛けた陰謀だった。この陰謀で、男漁りや売春等の夜の面と、昼のエリート女性社員の二重人格などを周りに人間に植え付けられていったけれど、これに気が付いて犯人を捕まえようとして返り討ちに合う、犯人の思惑通り、不名誉なイメージが世の中に広がったまま彼女は死んでしまう。
私は、東京電力OL殺人事件については、よく理解していないので世間一般的に思われている位の事件だと思っていたけれど、この作者の考えたストーリーを読んで驚いた!
よくこんな風に考え付くものだと。小説家はすごい、実際に起きた事件からここまで考え付くとは。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック