読後感: 初陣 隠蔽捜査〈3.5〉 今野 敏

ご存知、隠蔽捜査シリーズ第3.5弾。
3.5とは何かと思ったら、この本は警視庁刑事部長・伊丹俊太郎と大森署長・竜崎伸也。幼馴染にして同期のキャリア二人のおかしなやり取り、竜崎に敵対する野間崎方面本部管理官や、大森署の貝沼副署長と斎藤警務課長、特に女性キャリアの畠山美奈子の話など上層部が竜崎を困らせようとわざと部下にした、など今までの隠蔽捜査シリーズの裏話やシリーズの間に起きた小さなお話等、舞台裏を描いた8話からなる短編集で、基本的には警視庁刑事部長の伊丹が様々な難問に出くわしそれを竜崎に相談するというお話です。それにしても、3.5とは考えましたね、バージョンアップという意味の3.5と、本編と本編の間の本という意味でしょうか?
<指揮>
そもそもこのシリーズの前提条件、主人公二人のうちの一人、伊丹俊太郎が警視庁刑事部長に抜擢された時に前任地福島県の県警本部の後任者との引継ぎに悩んだ伊丹刑事部長のお話。
<初陣>
警察の裏金問題がマスコミにより指摘され、国会答弁で弁明する必要が出てきます。
その国会答弁の草案を竜崎が考えることになり、裏金問題については現場にいる人間が詳しいと思い、伊丹に裏金問題について詳しく教えろと電話で問い合せます。
話した伊丹は後から竜崎に話した事が表に出たら自分は懲戒免職されるかも?と悩み始めてしまう。
<休暇>
伊丹が二泊三日で旅行に行きたくなり、そこで休暇を取りますが、案の定休暇中に事件が起きました。
しかも、その事件には竜崎も絡んでいる。伊丹は旅行を中断して帰らないといけないのか?
<懲戒>
現職刑事が選挙違反のもみ消しに関わってしまった、と報道された。その刑事と会ってみると、なんと伊丹が若い頃に仲良くしていた人でした。話を聞くと、かなり微妙な状況。
ウラには超大物の政治家が。さらに、この件は伊丹の責任で裁かなければならないことに。
どうしていいかわからず、やっぱり竜崎に相談。
<病欠>
伊丹がインフルエンザにかかった。しかし、そんな時でも事件は容赦なく起きます。キャリアはつらいよ。
<冤罪>この本を読んだのは5月頃だったのでこのお話はよく憶えていないのでパス
<試練>
隠蔽捜査3のウラ事情が分かるお話です。
竜崎が訪日するアメリカ大統領の護衛につかないといけなくなった。
所轄署長の自分が何でそんな大役を任されたのか良く分からいので、直接その責任者に聞いてもらえないかと刑事部長の伊丹に頼んだ。伊丹は相手がかなり上の人で、軽々しく話せなかったが思い切ってその責任者に聞いてみたところ、すると思わず伊丹も嫉妬するほどの意外な事実が判明します。
<静観>
またまた竜崎が問題を起こしてくれました、しかも3つも同時に。
伊丹もこれは庇いきれないと思うほどで竜崎を降格するほどの威力があります。。
しかも追及しているのは、竜崎の足を引っ張ろうと考えているノンキャリアの野間崎方面本部管理官という男。これは大変だと伊丹は竜崎を訪ねた。オレの助けが必要だろうと。
しかし、いくら聞いても、竜崎は本当に何が問題になっているか分からないご様子。
さすが浮世離れした竜崎サン!
本当に軽い話の連続でこの本は面白い、ある意味、隠蔽捜査シリーズで一番かもしれない。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック