読後感:オーディンの鴉 福田 和代

近々の閣僚入りを確実視されていた国会議員・矢島誠一は、東京地検が彼の家宅捜索を行う当日の朝、「私は恐ろしい」不可解な遺書を残し、謎の自殺を遂げた。真相を探る特捜部の湯浅と安見は、自殺の数日前から矢島の個人情報が大量にネットに流れ、彼を誹謗する写真や動画が氾濫していた事実に辿り着き、匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に不安を覚える二人だったが、やがて彼らにも、犯人による執拗な脅迫が始まり、ついに彼らにも差出人不明の封筒が届きはじめる。
防犯カメラやクレジットカード、携帯電話、Suicaなど、便利な機器も、それを集められるとプライバシーが全て露呈してしまう現代社会の便利な機器や機能も悪意をもって使われると、如何に恐ろしいものになる、というお話ですが、最後まで、人々の情報を把握、操作、改ざんして、意のままにできる秘密結社的組織、メンバーは社会的地位の高い人々、しかしお互いの情報は彼ら自身も把握してないため、殺人犯を捕えても、とかげの尻尾きり状態。肝心の「オーディンの鴉」のシステムや組織について、はっきりしないまま話が終わってしまい、少し物足りなかったが、ストーリーとしては、似たようなアメリカ映画を二、三作見たような気がするくらいなので、かなり、あり得る話で目の付け所が良い小説だと思います。
最後に、本当にこのようなことは今現在できるのでしょうか?

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