読後感:裏と表 梁 石日

主人公樋口は、8年間の金券ショップ勤務の後、念願だった自分のショップを開店するさいに二人の人間の世話になった。高校時代からの親友高瀬には資金面で、仕事で知り合った少し年上の諸橋には商品の品揃えの面で。商売はいちおう軌道に乗った。高瀬は大手運送会社の営業課長だが、会社の先行きに不安を感じて忠誠心は全く無く今は一旗あげたいという野心の虜になっている。諸橋はこの業界を知り尽くしている凄腕ブローカーだが誰にも明かさない過去が後半になって明らかになってくる。
 樋口は、店のオープンの日にやってきて、高速道路券を四百万円分持ちこんできた美女を忘れかねていた。金券は四十パーセントで買い取り、会社で使う高瀬に換金を頼んだ。この貴子という女にころりと参ってしまったのだ。
 この四人の人物が、表では協力するけれども裏で何をしているか分からない役柄をそれぞれこなして、物語は弾けて転がっていく。
 高瀬は大がかりなマネーロンダリングに、樋口を巻き込もうと画策する。選挙資金の裏金つくりから始まって、高瀬の会社のワンマン経営者一族が自分の会社の倒産ガ免れなくなり取引先商社と組んで手形を乱発して自分の資産を作ろうとしている事を知り、その裏をかいて彼らを相手取った巨額の手形詐欺のプランが動き出す。 
この本を読んでみて、社会には裏がありその中でも金券ショップは裏経済の環の中の一つとして成り立っていることもあり、金券ショップが何故成り立つのか分かった気がした、今まで自分は金券ショップとは個人のお客から仕入れて個人のお客に売るものだと思いこんな事で大きな商売が出来るのか?と思っていましたが、この本では億単位の金券を動かせる人がいて、今の社会でお金になることには必ずその道のプロがいて大きな商売が成り立っている事が分かりましたが、やはり最後に儲けるのはお金を持っているか自由に動かせる人だと思いました。

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